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これだけは知っておきたい家の技術と性能 断熱性

単に断熱材が多ければ、性能が高いというわけではありません。地域の気候風土や住み手のライフスタイルに合わせてベストアンサーを見つけることが大事なのです。これからは一般的な性能数値だけで判断するのではなく、「自分の暮らしにあった心地よい家」という考え方も大切です。

快適性は、単に断熱材を厚くするだけでは得られません。

どれだけ断熱材を厚くしても、熱の逃げ道になるような隙間などがあれば、そこから熱はどんどん出入りしてしまいます。高断熱で快適な家づくりを行なうには、「断熱」「気密」「遮熱」「換気」の各性能を総合的に高めることが大切。
まずは家全体から熱の逃げ道をなくすように「断熱」だけを意識するのではなく、トータルに家の性能向上を考えることが肝心だといえるでしょう。

家全体で熱の逃げ道をなくすことが大切

トータルに考えるべき4つの性能

南北に長い日本では、地域特性に合った快適性を考えることが重要です。

「省エネ法(通称)」に基づいて、省エネルギー基準は気候等の条件によってT〜Yの6地域に区分されています。これは、それぞれの地域特性に合った快適性を確保するための区分で、省エネルギー性能の公的基準も各地域ごとに定められています。
たとえば、冬の寒さが厳しいT・U地域では、より高性能な「断熱性」が求められ、温暖なV〜Y地域では夏の暑さ対策(冷房効率の向上)が重視され、「遮熱性」の基準が厳しくなっています。

省エネルギー基準の地域区分