こだわり研究 theme.06 大人夫婦のふたり暮らし。ほどよい“距離感”が成功の秘訣!
これからの夫婦の生活像は、男女ともに思いが一致!
50代夫婦では約70%が未婚の子どもと同居していますが、60代になると夫婦ふたり暮らしが約60%へと増加します。いわば60歳前後がライフステージの変換期。これからの暮らし方を見つめ直すタイミングが訪れるのです。さて、あなたは子どもが独立した後の夫婦ふたり暮らしについて、どのようなイメージをお持ちでしょうか?
まず、ご主人がリタイアされるとお互いに自由な時間が増えますから、その時間をどのように過ごすかがポイント。共通の趣味があれば一緒に始めるのも素敵ですが、50〜60代夫婦のリアルな本音はちょっと違います。アンケートでは「夫婦それぞれお互いの時間を大切にしたい」という思いが8割以上になっているのです。
また「夫婦は対等のパートナーとして助け合うもの」という意見が約9割を占めます。たとえば家事についてなら、従来の奥様中心のスタイルを卒業して、夫婦がともに協力・分担して行なうことが大切だという気持ちのスタンバイはできているようです。
これらの思いは男女差がなく、夫婦ともに意見が一致しているのが近頃の特徴です。
ところが妻の8割以上は、“ひとりの時間”を楽しみたい!
気持ちの上では「夫婦それぞれお互いの時間を大切にしたい」「夫婦は対等のパートナーとして助け合うもの」と一致している夫婦ですが、ふたり暮らしになって、お互いに自由な時間を持つと、戸惑ってしまうのが男性です。これまで仕事に費やしていた時間がフリーになるわけですから、初めは時間を持て余すことにもなりかねません。
逆に女性は、子育てが終わってから少しずつ自由な時間を持てるようになり、男性よりもいち早く自分なりの暮らしの楽しみ方を身につけているわけです。実際にアンケートを見ても「ひとりの時間を楽しみたい」という意見は女性の方が上回っています。
時間を持て余しがちな男性と、ひとりの時間を大切にしたい女性。実はこのギャップが夫婦の「こんなはずじゃなかった…」という“ネガティブな距離感”につながりがちなのです。お互いがひとりの時間を楽しめ、それによってふたりで過ごす時間がさらに充実する。そんな“ポジティブな距離感”を実現するにはどうすれば良いのでしょうか?
まず、夫婦それぞれが「こうありたい」と思うライフスタイルを話し合って、わが家らしい夫婦の距離感をイメージしておくことが第一歩。特に男性はリタイア前から将来のことを考えて新しい趣味を始めたり、ボランティアに参加するなど、生きがいを得る準備をしておくことが肝心です。そして、夫婦でイメージした理想の暮らし方を住まいの空間づくりに上手に反映する工夫が大切なのです。