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こだわり研究 theme.05  限られた空間を広く見せる、魔法のテクニック!

視線のヌケを設けて、広々とした印象を演出しよう!

実際はそれほど広くはないけれど、なぜか広く感じる…。そんなふうに感じる空間に出会ったことがありませんか。それはきっと視線のヌケ具合が影響していると考えられます。人の感覚の中でも目で見た印象はとくに大切で、空間の広さ感を大きく左右するものなのです。

これを住まいのプランニングに活かすとすれば、できるだけ遠くを眺められるように室内を工夫すること。たとえば、住まいの両端に窓を設ければ、敷地の端から端までが見渡せて、とても広がりが感じられるようになります。また、部屋の間仕切り壁をできるだけ少なくして、住まい全体に奥行きを感じさせるように工夫するのも重要なポイント。部屋数を優先して狭い空間を多く確保するケースもありますが、それはかえって住まいの広がりを妨げることにつながりかねないといえるでしょう。

できるだけ遠くを眺められるように!
  • 【 写真 】目隠ししておきたい場所がある場合、壁の上部をなくした間仕切り壁を設けるのも一案です。天井が連続して見え、視線のヌケと広がりが保てます。
  • 【 写真 】 階段ホールの腰壁などには、透過性のある素材を使用するのがおすすめ。視線のヌケが生まれるだけでなく、光が入って明るく広がりのある空間になります。
  • 【 写真 】 階段は意外と大きなスペースを占める要素です。スリット階段を採用すれば、階段の両側に視線のヌケが生まれて、室内への圧迫感が軽減されます。
  • 【 写真 】 コーナーサッシを採用すれば、部屋の隅に視線が伸びて広がりが生まれます。お向かいやお隣の建物が近接している場合も視線をそらしやすくなります。

屋外の風景を取り込んで、開放感いっぱいの住まいにしよう!

広がりのある住まいを計画する場合、住まいの内側だけでなく、屋外を上手に取り込むことも重要です。ただ、まちなかでは近隣が密集しがちなので、単純にオープンなプランニングを行なうわけにはいきません。ポイントになるのは、いかに近隣からの目線をカットしながら、屋外を取り込むかということになります。

その秘訣は、住まいの上方向と内方向に着目して工夫を凝らすこと。たとえば、吹抜けを設けて2階の窓から空へと抜ける眺めを計画したり、わが家の建物で囲った中庭に向けて開放的なプランニングを行なうなどのアイデアが考えられます。

とくに上方向への設計の工夫では、3階建てにした場合の3階バルコニーや屋上スペースの活用など、住まいにプラスαの広がりを生み出すことも可能です。

開放感を高めれば広々感もアップ
  • 【 写真 】 1階の窓だけでは前面道路の目隠し壁で広がりが生まれませんが、吹抜けにすることで空間自体にも伸びやかさが出せて、さらに空への眺めも広がります。
  • 【 写真 】 建物をコートスタイルにして中庭を設けることで、光と風を室内に取り込んでいます。室内から中庭へと広がりが生まれ、伸びやかな暮らしが実現します。
  • 【 写真 】 格子スクリーンでプライバシーを守りながら、上方向に開放したバルコニー。格子スクリーンは通風や採光を図りながら、近隣からの視線をスマートに遮ります。
  • 【 写真 】 まちなかではカースペースの確保も重要なポイント。その上部を居住空間として活用できるオーバーハングを採用すれば、生活スペースに余裕が生まれます。

みんなの家づくりの工夫を覗いてみよう!